風力発電の魅力

風力エネルギーは開発可能な量だけで人類全体の電力需要を充分に賄える資源量があるとされる。

風力発電は世界的に大規模な実用化が進んでおり、2010年には世界の電力需要量の2.3%、2020年には4.5~11.5%に達すると言われる。

一方、日本では欧米諸国に比して普及が進んでいない。それは、台風に耐えうる風車が必要なため、欧米と比較してコストが高くつく。大量の風車を設置できる用地確保が困難。元々日本では原子力発電や太陽光発電を重視してきた歴史があることなどが挙げられる。

風力発電の問題点としては、騒音対策・低周波対策がある。人家に近接して設置された場合、騒音や低周波振動によって、近隣の住民がめまい・動悸・耳鳴りなどの違和感を訴える例が出てきた。しかし、これらの問題は、ブレードの翼断面の改良や多極式発電機の採用によって、かなり改善されてきている。

また、イヌワシクマタカ、などの希少猛禽類の幼鳥が、風力発電のブレードに衝突して死亡するケースが発生することである。

これには、鳥類の生息状況を調べ、影響の少ない設置場所や形式を選定する。

渡り鳥の接近をレーダーによって探知し、事前に回転翼を止めておく。

風車付近での猛禽類の採餌行為を無くすため、周囲にテープや案山子を配置するなどの対策が取られている。

風力発電の最大の弱点は、出力変動であろう。風速の変動に従って出力が需要と無関係に変動して電圧や力率の変動をもたらすが、この変動は一般に太陽光発電に比べても大きい。 この、需要への追従は基本的には火力発電や水力発電などに頼ることになる。

特に、小規模発電の場合に変動が多くなるが、大規模発電になると変動は大幅に緩和され、火力発電や水力発電への負担は小さくなる。バックアップ電源を付加することも柔軟な対応に寄与すると考えられている。

こうした問題を解決するための有力な方法として、洋上のおける風力発電の試みがなされており、今後の更なる発展が期待される。